中国語資格試験・HSK ― このページでは、今や年間の志願者数で、遂に中国語検定試験を初めて上回った同試験の「入門級」となる1級の「概要」と「勉強法」について説明させて頂きます!
(HSKは現在、1級~6級があり、6級が一番上ですが、新たに2022年3月(予定)から、7~9級 ❝高级❞(上級) の試験がスタートする予定です)。
さて、タイトルを
「2週間(で受かる)」
とさせて頂きましたが(場合によっては1週間でも可)、
これは、当然、あなたの状況(時間的な問題、能力的な問題その他)にもよるのですが、何よりも
普通に順に勉強していたら、到底間に合わない
条件ですので、
「効率良いテクニック」に従って、「試験の為の勉強」をした
場合にのみ可能な話ですので、少し「偏った」勉強になります。
普通に「地に足の着いた勉強」、「その後を見据えて中国語の基礎の勉強を、この機会に最初からしっかりと」と考えている人は、
この「2週間(または1週間)」という時間は諦めてください。
それでも、このページは役に立たない訳ではありません。(閉じないでくださいね(^^;))
この記事のベースは、あくまで、「これからしっかりと中国語を勉強していく」方の為のものです。
「試験まで時間がない」、「とりあえず合格だけすればいいんだ」(あと勉強するかわからない、ちゃんとした勉強は試験終わってから)と言う方は、「勉強法【テクニック編】」を中心に読んでいってくださいね。
「しっかり基礎固め」派のあなたは、「勉強法(正攻法)」を中心に読んでいってください。
目次
1. HSK1級・最大のポイント
HSKは、大きく2つの試験(リスニングと読解)から成っていますが、2つの試験を通じて全体について言える最大のポイントは、
👉 リスニングの方が難しい。リスニングの勉強時間を圧倒的に多めにとる!
ということです(日本人の場合)。日本人にとって、漢字がわかる点で、読解問題はかなり勉強が楽です。しかし、リスニングはそういう利点がないので、普通に一から勉強しなくてはいけません。あなたのリスニング、読解のそれぞれ得意、不得意や、これまでの中国語の勉強経験、HSKのリスニング、読解問題それぞれへの相性など、背景によって色々異なるので、一概には言えませんが、リスニングと読解の勉強時間・勉強量の割合は、7:3とか8:2、場合によっては9:1ぐらいになるかもしれません。とにかく、
読解よりもリスニングに勉強時間をまずとる
ということを頭においてください。
※「時間がない」派、「とりあえず合格だけ急ぐ」派のあなたは、下の「👉POINT!」(オレンジのゾーン)へGO!(そこまで読み飛ばして頂いてOK)。このページ全体を通じて、そのように読んでいってください。
2. HSK1級・試験概要
(※中国語の試験では、〇の代わりに✓を用いる。中国の習慣で、HSKでも正誤問題などで使われる。合っていれば、✓(对号 duìhào)を選ぶ。)
(※読解試験のことは、中国語では「阅读」(yuèdú)という。読み書き試験、筆記試験のこと。HSK・1級は、下記の表の通り、「听力」 (yuèdú、聞き取り、リスニング)と 「阅读」 の2分野から成っている。このページでは、 「阅读」 について解説する。
(※問題用紙上の全ての中国語には、ピンインが付されている。問題、選択肢に関わらず、また文、単語に関わらず、全てにピンインが振られている。ピンインを見て、音から単語の意味を思い出せる人など、「音声重視派」にはありがたい条件だ。)
tīnglì 听力(聞き取り、リスニング) | yuèdú 阅读(読解、筆記) | |
試験の順序 | 先 | 後 |
問題数 | 全20問 | 全20問 |
時間 | 18分(放送15分、記入3分※) | 17分 |
放送回数 2回 | ||
配点 | 1問5点、100点満点(※2) | 1問5点、100点満点(※2) |
問題構成 | 第一部分~第四部分 (計4つの大問) | 第一部分~第四部分 (計4つの大問) |
合格基準 | 阅读と合計で6割以上(※3) | 听力と合計で6割以上(※3) |
※ 記入3分 : 記入の為の予備時間。放送を聞きながら答えを記入するものも勿論OK。
※2 総得点200点満点。配点(1問5点)は全問題共通。
※3 合計で6割以上 : 听力と阅读のどちらか片方の得点が6割を下回っても、総合得点が6割(120点)以上なら合格。
試験形式 : マークシート
必要な語彙数 : 150語(※1)
3. 読解試験全体を通しての注意点
リスニングの問題でも言えることだが、HSKでは、各設問ごとの(各大問の始まりの部分に)細かい試験指示がないので、問題形式や答え方は、事前にしっかり把握しておくことが大事だ。日本人の私たちにとっては、問題形式が変わるごとに(或いは新しい大問に変わるごとに)「次の選択肢の中から空欄に入る語を1つ選べ」のような「問題指示」があることに慣れている。HSKも「当然あるだろう」と思って、いざ試験本番、問題を解いてみると、各大問の始まりに、「例」は載っているが、「説明」がないので、結構感覚的に、問題の解き方・答え方をつかまなければいけないようになっている(特に写真問題など)。実は、「問題指示」「問題の説明」は、リスニング問題前の問題用紙の最初のページにまとめて書かれているのだが、全て中国語で書かれているので、1級受験者には読むのが難しく、また1か所に全ての問題の説明が記載されているので、そもそも読んで理解するようなものではない(必要な時ここに戻って参照するという使い方になるが、そうする人は少ないだろう)。問題の解き方やその説明というのは、各設問ごとにないとやはり不便なので、実際には、先程述べた「例」を見て、解くことになる。
知っていれば(或いは慣れていれば)、何でもないことだが、初めてだと「本当にこういう答え方、理解の仕方で良いのか」「本当にこういう問題なのか」と、問題形式に少し不安を覚えるかもしれない。試験時間や実力に余裕のある人は良いが、そうでない人はここで時間のロスや自信・余裕がなくなるのはもったいない。
👉 POINT! インターネットやアプリ、書籍教材などの過去問や模擬問題で、事前に必ず各大問の問題形式、解き方、答え方を事前に把握しておくことが重要(各設問に「問題の説明」「解き方の説明」がないので、HSK独特の「感覚的な問題の解き方」を理解しておくこと)。
※「時間がない」派、「とりあえず合格だけ急ぐ」派のあなたは、ここから先、 「対策(テクニック)」(オレンジのゾーン)だけ読んでいってください!
【阅读 第一部分】
(読解・筆記試験 大問1)
問題数 | 全5問(試験全体20問) ※全 「部分」 同一 |
配点 | 全5点、計25点(試験全体100点) ※全 「部分」 同一 |
問題形式
写真を見る → 単語が写真の内容と一致するかどうか、✓か✖か2択で回答
(写真と単語〈=漢字〉が予め問題用紙に印刷されている)
対策(正攻法)
正攻法の勉強方法は、いくつか考えられる。
◆ 頭の中に単語を思い浮かべ、それを中国語に直す練習をする。
◆ 単語を「日本語 → 中国語」に直す勉強をする。
◆ 中国語の単語を見て意味が分かるように勉強する。
→ 例)頭の中に🍎(りんご)を思い浮かべる→苹果píngguǒに変換
→ 例)りんご → 苹果
→ 例)苹果 → りんご
など。どれも「第一部分」(大問1)の対策となる勉強方法だ。
ただそうは言っても、「頭の中に思い浮かべる→変換」というのは、変換した答えが正しいかどうかを、自分で調べて確認することになる。時間がかかるし、適切なテキストが見つかるとは限らない。上記の3つの例は、どれか1つに絞るのではなく、組み合わせて勉強するのが良い。
1級ではピンインや漢字を書かされたり、選ばされたりする問題はない。2択の正誤判定問題はあるが、ピンインや漢字を書けるようにする勉強は必要ない。
特に各単語のピンインは、1級の段階では。勉強が間に合わなくても、勉強しなくても大丈夫だ。★この先も中国語を勉強を続ける人は、早いうちから勉強しておいた方が良いが、1級に関しては、漢字文化圏である日本人の私たちは、漢字がわかる利点を活かして、「日本語→中国語の漢字」だけ、先程紹介した勉強方法で勉強しておけば良い。
これらの勉強方法の調整が面倒な人は、普通にピンインを含めて単語を勉強すれば良い。その際、上記が「重点的に勉強する部分」程度に参考にして頂ければ十分だ。
対策(テクニック)
中国語の基本単語150語(HSK1級で求められる語彙数)の「中国語→日本語」の部分だけ、つまり「単語を見て意味がわかる」ように、暗記、勉強して、この「読解問題・第一部分」を対策しよう。スマホのアプリをダウンロードできる人は、「中国語検定HSK公認 単語トレーニング」アプリ(iPhone版、Android版)を利用することで、50語までは無料で、残り100語+αは、有料(¥370、iPhoneの場合)で確認できる。
【阅读 第二部分】
(読解・筆記試験 大問2)
問題数 | 全5問(試験全体20問) ※全 「部分」 同一 |
配点 | 全5点、計25点(試験全体100点) ※全 「部分」 同一 |
問題形式
中国語の文を見る → 6つの写真から、文の内容に最もふさわしい写真を1つ選ぶ
例 中国語の文 → 選択肢(6つの写真)の中から1つ選ぶ
(文の内容に1番近い写真を選ぶ)
Tā zài shuìjiào ne → 男性が寝ている写真を選ぶ。
他 在 睡觉 呢。
(彼は寝ている。)
※ 写真は、「選択に迷うもの」「紛らわしいもの」はない。ひっかけなど無く、内容がそれぞれ全く異なる写真が6枚用意されているので、中国語の文の意味さえ正しく理解できれば問題ない。
対策(正攻法)
対策(テクニック)
ここでは、「テクニック」とでも言うべき対策を紹介するが、
そもそも問題によって、あなたが中国語で理解できる問題は、中国語で答えるだろうし、
分からない問題は、ここでいちいち「テクニック」と紹介するまでもなく、あなた自身自然にそうするだろうが、
わざわざ「テクニック」と謳うこともないが、
このページをご覧いただいている方の中には試験問題の傾向を掴みたいという情報収集目的の方もいらっしゃると思うので、一応紹介すると、
「第二部分」は、「第一部分」 より簡単である。
理由は、
問題の「中国語の文」と選択肢の「写真」を、その場で見て組み合わせを作り、答えられる(=✓か✖か判断できる)
からである。
「文」で出題されるので、一見「第一部分」より難しそうだが、
文というのは、たくさん単語が組み合わさってできている。
単語の数だけヒントがある。
やり方は、
👉 自分が「意味のわかる漢字」を探す → 写真選びのヒントにする
例 Xiàyǔ le wǒ kāichē huíjiā
下雨 了,我 开车 回家。
→ 「雨」、「家」(わかれば「车(車)」も)など写真選びのヒントになりそうな字を探す
→ 「雨」、「家」、「车」などが写ってる写真を探す
→ 「雨」を表す写真! これで正解! (「车」が分かれば更に答えやすい)
写真の中の天気が「雨」だとわかるだろうか。もし、このページの写真がわかりにくくても、実際の試験の写真は分かりやすい。
問題の文の意味がわからなくても、写真を選ぶことのできる漢字(1、2字)を見つけることで問題が解けてしまうのだ。こういう場合、他の写真の中に「雨」の写真は普通ない(=「ひっかけ」や迷わせる選択肢がない)。もし、写真がダブっていたら、他のヒントになる字を探すか、先に答えられる他の問題を答えて、選択肢の数を絞ってから、後で答えれば良いだけだ。
中国語の文(問題文)の意味を全て理解できる必要はない。
これで5問中2問はだいたい正解できる。あと1問正解すれば、「第二部分」で6割正解できることになる。がそもそもその必要性はない(全体で6割以上正解なら、たとえここで全問不正解でも、問題ない)し、そこは、中国語の基本的な簡体字をわかるようにするなどして、自分の勉強で補ってほしい(例えば「车」は車、「饭」は飯など)。それでも、この「第二部分」は、文の意味を全て理解できなくても、ここで紹介したやり方で通用する。正解できるのだ。
繰り返すが、漢字が読める日本人の我々にとっては、「第一部分」(大問1)よりも「第二部分」の方が解きやすい。「第一部分」は、出題された単語の意味がわからなかったら、それだけでもうアウトだ(或いは単語の2文字のうちどちらか1文字の意味が分かれば答えられるかもしれないが)。しかし、「第二部分」は、文なので「ヒント」が複数ある。その分解きやすい。漢字文化圏でない国々の人たちには、これができない。HSKは全世界の中国語学習者向けのテストなので、そこが中検と違う。日本人はこの点、HSKで有利なのだ。
もちろん、上記のやり方で解けない時もある。場合によっては、このやり方がほとんど通用しない試験回もあるだろう。それでも、通用する場合の方が多く、半分以上(3/5問)や4/5問正解できる場合もある。4/5問正解できれば消去法で残りも1問も正解、全問正解できる。
【阅读 第三部分】
(読解・筆記試験 大問3)
問題数 | 全5問(試験全体20問) ※全 「部分」 同一 |
配点 | 全5点、計25点(試験全体100点) ※全 「部分」 同一 |
問題形式
写真問題が終わり、「第三部分」以降、問題文も選択肢もどちらも文になる。
「<疑問文>と<答えの文>の組み合わせを作る」問題である。
まず、問題用紙には、選択肢となる5つの中国語の文がまず並んでいる。
これは選択肢(=<答えの文>)なので後回しにする。
次に、問題番号が振られた5つの中国語の文がある(=<疑問文>)。こちらを先に見て、問題を解く。
※選択肢は実際の問題ではA~Fまで6つあるが、下の例では5つにしている(これは、実際の試験では、6つの選択肢のうちの1つが例題用に使われ、残り5つの選択肢の中から選ぶことになっているからだ。ただ、わかりにくくなるので、ここでははじめからA~Eの5つに選択肢を絞っている)。問題5問に対し、選択肢5つなので、全ての選択肢を使い切る。最後の1問は、消去法で選べる。
例 中国語の問題文
<疑問文>
31.Lǎoshī shuō le shénme
老师 说 了 什么? □
(先生は何と言ったのですか。)
選択肢(A~Eの5つの中国語文)を見る
<答えの文>
Wǒ méi tīngjiàn
A 我 没 听见。(聞こえませんでした。)
Tài rè le
B 太 热 了。(熱すぎました。)
Shì wǒ de, xièxie
C 是 我 的,谢谢!(私のです。ありがとう。)
Zhōngwǔ shí’èr diǎn
D 中午 十二 点。(正午12時です。)
Shì Wáng xiānsheng
E 是 王 先生。(王さんです。)
※実際の試験問題に日本語訳はない。 上記は便宜上付けている。
※ 31.は問題番号、□は解答欄だが、実際にはマークシートに解答するので、問題用紙のこの□は使わない(形式的に設けられているだけ。あと例題の答えだけは、予めこの解答欄が使われている「☑」←こんな感じ)。
→ 正しい答えを1つ選ぶ。
Wǒ méi tīngjiàn
A 我没听见。 (聞こえませんでした。)
→ 解答用紙の A をマークする。
<疑問文>と<答えの文>の組み合わせをつくる。AとB、2人の会話が成り立つように組み合わせをつくる。
対策(正攻法)
中国語で書かれた文を日本語に訳す力が必要。また単語の勉強も必要(中国語→日本語に直す力)。
「第二部分」同様、もし文全体の意味がわからなくても、わかる漢字をヒントに選択肢を選べる場合もある。
例 中国語の問題文
<疑問文>
32.Nàge rén shì shéi
那个 人 是 谁? □
選択肢(A~Eの5つの中国語文)を見る
<答えの文>
Wǒ méi tīngjiàn
A 我 没 听见。
Tài rè le
B 太 热 了。
Shì wǒ de, xièxie
C 是 我 的,谢谢!
Zhōngwǔ shí’èr diǎn
D 中午 十二 点。
Shì Wáng xiānsheng
E 是 王 先生。
と問題があったら、
もし、あなたが「谁」が「誰」と同じ字だとわかり、さらに中国語の「先生」は「~さん」という意味だと知っていれば、
Eが正解だと推測して選ぶことができる。
このように、もし文の意味全てがわからなくても、わかる文字から答えを推測できる場合もある。もう1題見てみよう。
例 中国語の問題文
<疑問文>
33. Xiànzài jǐ diǎn le
现在 几 点 了? □
選択肢(A~Eの5つの中国語文)を見る
<答えの文>
Wǒ méi tīngjiàn
A 我 没 听见。
Tài rè le
B 太 热 了。
Shì wǒ de, xièxie
C 是 我 的,谢谢!
Zhōngwǔ shí’èr diǎn
D 中午 十二 点。
Shì Wáng xiānsheng
E 是 王 先生。
もし、問題文の「几点」が「何時」という意味を知っていたら、「十二点」(12時)という語が入っている E を答えとして選べるかもしれない。「点」が問題文にも選択肢 E にも入っているので、「時間を表す文字」とか「何らかの単位を表す文字」ということが記憶のどこかにあれば、或いは単に「同じ字が入ってるから」という理由で E を選ぶことができれば、この場合正解になる。
対策(テクニック)
特になし。
【阅读 第四部分】
(読解・筆記試験 大問4)
問題数 | 全5問(試験全体20問) ※全 「部分」 同一 |
配点 | 全5点、計25点(試験全体100点) ※全 「部分」 同一 |
問題形式
空所補充問題である。中国語の文の1か所が空欄になっており、5つの選択肢の中から、空欄に入れる単語を1つ選び、意味の通る文にする問題。短い1文だったり、2人の対話形式でセリフが1つずつ(合計2文)の問題文で出題される。
※選択肢は、第三部分同様、実際の問題ではA~Fまで6つあるが、下の例では5つにしている。これは実際の試験では、6つの選択肢のうちの1つが例題用に使われ、残り5つの選択肢の中から選ぶことになるが、わかりにくくなるので、ここでははじめからA~Eの5つに選択肢を絞っている)。実際は、問題5問、選択肢5つなので、全ての選択肢を使い切る。最後の1問は、消去法で選べる。
例 中国語の問題文
<疑問文>
Zuótiān shì rì
36.昨天 是 8( )19 日。
選択肢(A~Eの5つの中国語の単語)を見る
<空欄に入る答えの単語>
zuò qiánmiàn méi guānxi Hànyǔ yuè
A 坐 B 前面 C 没 关系 D 汉语 E 月
正解は E である (8月19日) 。
対策(正攻法)
上の例は簡単すぎるので、他の問題は同じようには普通いかないが、難易度は第三部分と同じか、やや易しいぐらいなので、それほど難しいことはないだろう。やはり我々日本人は漢字がある程度わかることと、学校で英語を勉強してきたので、文法的に似る中国語も感覚や知識である程度わかるという強みがある。この問題に関する勉強方法は、単語量を増やす(中国語→日本語の意味を覚える)ぐらいだろう。
コロケーションは1つ第四部分対策として、学んでおいた方が良い分野だ。コロケーションとは、「看电视」、「看医生」のような熟語、組み合わせとなる語句の学習・暗記だ。「看」と「电视」を別々に覚えるのが単語の学習、コロケーションを学習することで、中国語で習慣化して良く使われる例を覚えることができ、効率的だ。また、「看医生」(医者に診てもらう)(医者を見る、ではない)などの中国語独特の表現、単語学習では必ずしも学べない知識が身に付けられるというメリットもある。今後に向けての基礎力強化の為にもぜひ学習しておきたい分野だ。
対策(テクニック)
単語を覚える際、品詞を意識して覚えると良い。特に「動詞」と「名詞」だ(わかれば「形容詞」と「副詞」も)。単語を覚える際に、軽く、「あ、これは動詞だな」と気に留めておく程度で良い。「動詞」とは、「見る」「聞く」など動作や行為を表す言葉だ。「名詞」とは、「学校」「电视」など人や物事の名前だ。
そして、問題を解く際、難しくて解けなさそうだったら、品詞から解けないか考えてみる。例えば、
36. 2009 nián 3 yuè wǒ ( ) le tā
2009 年 3 月 我 ( ) 了 她。
と問題があったら、( )の中には「動詞が入る」とわかるだろうか。「我」は主語、主語の後ろには動詞が来る可能性が高い。「了」が後ろにあるから、前は動詞と判断できるのだが(たとえこの解説の意味がわからなくても、)こういう「判断材料」を勉強する中で1つでも多く増やせれば、いざという時役に立つこともある。( )の中に入る語が、名詞とか動詞とか、( )に入る品詞が判断できれば、選択肢が絞れる。
👉 ( )に入る語がわからなかったら、品詞で考えよ。その為に、単語学習の際に、その語の品詞を意識せよ。
勉強量が増えてしまうので、とりあえず「動詞」と「名詞」だけ気に留めておけば良い。別の例で
看( )
というように、動詞「看」の後ろがカッコになっているから、高い確率でカッコには、「名詞が入る」とわかるだろうか。「看」は「見る」という意味の動詞。「看」の後ろには、何を見るのか、その「~を」にあたる単語(=目的語)が来る。目的語には名詞や代名詞がなることが多い(それ以外の語が来る場合もあれば、名詞・代名詞の前に修飾語などが入ってくる場合もあるので、その辺は臨機応変に対応する必要があるが)。とりあえず、「看」の後ろは、名詞ではないかとにらんで、選択肢の中から名詞らしい単語を探せば正解になる確率も上がる。これらは、問題文や選択肢の単語の意味がわからない場合の話である)。
問題文や選択肢の中国語の意味がわからなかった場合、別の対策として、「対」になる語がないか探して、一応答えに選ぶ、というテクニックがある。例えば、( )の前や後の文中に、「前面」という単語があり、さらに選択肢に「后面」とあったら、この2語は「対」(=反意語)になるので、一応答えとして選ぶという方法である。同様に、「大」と「小」など。説明するまでもなく、あなたも気付けばそうするだろうが、試験も終盤、集中力も切れかけているかもしれないこの第四部分で、もし問題が解けなかったら、ぜひこの視点で答を探してみてほしい。もし、「対」が見つかって(はじめから無い場合もあるだろう)、運が良ければ、正解になるかもしれない。
👉 (問題文の意味も選択肢の単語の意味もわからなかったら)問題文中の単語と「対」(組み合わせ)になる選択肢を探せ!
如何だろうか。
試験直前の時期なら、準備として「対策」の欄(正攻法でもテクニックでも)を参考にすると良いだろう。
時間的に余裕のある人は、単語のピンインや、日本語から中国語もできるように勉強してほしい。
時間のない人は、対策欄を参考に勉強してほしい。
そしてぜひHSK1級の「読み書き」問題を合格して頂きたいと思う。